日中交流グループ「あっぱれ!!広島のくのいち」

今回は、2020年11月に中国の大学生とオンライン交流会を実施した「あっぱれ!!広島のくのいち」のグループのみなさんにお話を伺いました。


石丸 光里さん/山口県立華陵高校出身
大原 菜々香さん/広島県立廿日市高校出身
小野 奏美さん/佐賀県立佐賀北高校出身
竹岡 優菜さん/島根県立浜田高校出身
本田 天音さん/愛媛県立松山北高校出身
山中 碧さん/広島文教女子大学附属高校出身

-みなさんはどういう経緯で日中交流に至ったのでしょうか?

「もともとは、中学校の英語教諭免許の取得をめざしているクラスの仲間です。」
「リーダーの本田さんが持ってきたパンフレットがきっかけですね。」
「国際協力とか途上国の諸問題の解決などに興味があって、他大学の国際協力のNGOに参加したり、「異文化理解」という授業を担当しておられる岩下先生(グローバルコミュニケーション学科)に相談して情報をいただいたりしていました。
 そのうちに、岩下先生から『独立行政法人国際交流基金 日中交流センター 大学生交流事業』のパンフレットをいただいたんです。それで、メンバーに見せて。」
「これって企画が採択されたら、タダで中国旅行行けるんちゃうん?!やってみようや!ってなったんです。」

-軽めのノリで始まった活動だったんですね。

「そうですね、はじめは。」
「でも、2019年11月初旬が応募締切で、約1か月で企画をまとめないといけなくて、かなりハードでした。」
「時間が無いのに、企画を考えて進めていくうちにみんな色々譲れなくなって、どんどん妥協できなくなってきて。イライラして、喧嘩もしましたね。」

-どんな企画を考えたのかな?

「お題は、中国『ふれあいの場』で、200~300人の来場者数を想定した終日イベントを企画する、でした。」
メンバーそれぞれの部活や趣味、ボランティア活動などの強みと、平和の発信地である広島の歴史を生かして、イベントを盛り上げたいと考えました。」
「おでんの提供やもちつきをする“共食ブース”、けん玉や福笑いをする“昔遊びブース”、観光地を紹介する“観光ブース”、折り鶴アートを制作する“未来ブース”、浴衣の着付けをする“Instagramブース”、花笠音頭などを企画しました。」


「皆の笑顔の花を咲かせ、日中の架け橋を築く」という目標のもと、「“わ”の三本柱である「人の“輪”・“和”文化・平“和”」を達成する企画を考案

-盛りだくさんだね!200~300人が来場することを考えたら色んなアトラクションが必要なんだろうね。そして、めでたく1次選考に通ったんですね。

「そうです、嬉しかったですね!」
「でも、そこから2次選考のプレゼンテーションに向けての準備が大変でした。」
「プレゼンをするのに必要なパワーポイントや制作物を仕上げるのに、メンバーの家に約1週間合宿しながら準備しました。」

-2次選考プレゼンは成功した?

「めっちゃ緊張しました!」
大学内のICT教育実践室からオンラインでプレゼンしました。プロジェクターもフル稼働して、めちゃくちゃICTを駆使した発表になりました。」


学内で準備中。ICT活用に助言をくださった教職センターの小川先生も一緒に。

-そして、無事に採択されたんですね。よかったですね!

「そうですね。めちゃくちゃ嬉しかったですね。」
「12月に結果がわかったんですけど、準備から採択まで、怒涛の2カ月でした。」
「折り鶴や折り紙メダルが大量に必要になるので、『育心の時間』で案内をさせてもらって、教育学科の同級生たちに協力してもらいました。」


『育心の時間』で同級生にプレゼンテーション

「それから、他に採択された他大学(早稲田大学、和歌山大学、広島県立大学)のチームとの交流など、実施に向けた研修会も始まって、すごく刺激を受けましたね。」
「他大学のプレゼンも見ましたが、制作動画のクオリティーや、プレゼンテーションの中身がすごくて。うちらやばいなって思いました。」
「私たちは、紙の掲示、折り鶴、折り紙メダルなんかをたくさん作って持っていったんですよ。普段から、授業を子どもたちに“わかりやすく伝える”ことを考えているので、授業づくりのために練習していることをプレゼンでも実践したんです。」
「そしたら、逆に他のみなさんはそういう紙の掲示とかアナログな発想が無い、すごくわかりやすい、すごいねって言ってもらえて。」
教育学科の強みが出せた、頑張って準備してよかったって思いました。」
「企画の内容をよりよくするために練り直し、着々と準備を進めていました。」

-しかし、新型コロナウイルス感染症が拡大してしまって、渡航できなくなったんですね。

「企画自体を延期か中止にしたい、と国際交流基金側から連絡がありました。」
「もともとの予定では、2020年2月中旬に中国でイベント実施の予定だったのですが、とてもそんな状況ではなくなってしまって。」
「急に何の予定も無い春休みになってしまって、すごく悲しかったです。」
「延期という案もありましたが、もし1年先延ばしになったとしたら、教員採用試験に向けての勉強に集中したい時期だし…絶望的でしたね。」


渡航中止が決まった際に「コロナウイルスに負けずに頑張ろう!」というメッセージを込めて応援動画を制作

-そうだよね…。せっかく準備してきたのにね。あの時期は、くのいちチームに限らず、多くの人が悔しい思いをしただろうね。

「渡航はできなかったけど、オンラインでのミーティングを重ねていました。それで、オンライン事業でもよいから何かできないか、という話になりました。それが5月です。」
「でも、中国に実際に行ってイベントを行いたい気持ちが強くて、オンラインはどうなのか…なかなかモチベーションが上がりませんでした。」
「3年生になり、小学校での教育実習もあるし、あれこれできるのか、不安な気持ちも大きかったですね。」
「でも、カウンターパートの熱意がすごくて。私たちもその熱意に応えたいと思ってやる気が出てきたんです。」

-カウンターパート??

「私たちが交流を行う、中国の成都理工大学のチームの代表者たちです。」

-中国の方なんだね。みなさんとのやりとりは中国語?英語?どうやって?

「主に日本語です。彼らは日本語学科で日本語を学んでいるので。」
「中国語も少し勉強しましたね。」
「コミュニケーションツールは、WeChat(ウィーチャット)っていう、日本だとLINEみたいなアプリとか。あとはzoomですね。」

-なるほど。それから、オンライン企画に向けて準備を開始、ミーティングを重ねて、2020年11月に実施したんですね。どんな内容をしたのかな?

「質問コーナー、すごろく、折鶴づくり、討論、です。」
「質問コーナーでは、中国の学生から、“あなたの中でアニメの神作は何ですか?”“もし明智光秀が本能寺の変を起こさなければ日本の歴史はどうなっていた?”など、とても興味深い質問がありました。」
「メインイベントとして時間を多くとったのは、すごろくと討論でした。本来、来場型企画で行う予定だった、日本の観光地紹介や、広島クイズなどを入れ込んだすごろくを作りました。」
「討論では、“なぜ人は人とのつながりを大切にするのか”について話し合いました。」
「今回限りの交流だけでなく、次に繋げていくために、日本と中国、それぞれの国の他の学生と交流する企画も考えました。」


オンラインすごろく中


折鶴づくり


イベント参加学生で集合写真

-この1回のイベントだけでなく、まだ交流の機会があったんだね。

「そうですね。それぞれの大学の他の学生にも、日中交流体験をしてもらえるように情報発信しようと。」
「日本側としては、12月の“育心の時間”に同級生に向けて活動報告をしました。その中で、中国の学生が作成してくれた“中国の小学校生活”動画を視聴してもらいました。」

-オンラインイベントを終えて、感想は?

「イベントなどをたくさんの方に楽しんでもらおうと思ったときに、自分たちが元気にふるまうってことは大切なことだと思いました。」
「この企画を通じて、日本のことを楽しく学んでもらえて嬉しかったです。」
「中国のことをよく知らない中で始めた企画だったけど、そもそも、自分たちが日本の文化をあまり知らないな、と思いました。」
「日本(自国)の文化を学びなおせたことは良かったよね。」
「日本と中国にはとても深いつながりがあると知ることができた。」
「いつか中国に行きたいな!」


中国のカウンターパートが制作してくれた折鶴アート🐼

-準備を開始した2019年10月からイベント終了まで約1年、コロナ禍などの予期せぬトラブルもあった中、とても長い取り組みだったと思いますが、ひととおり終えてみて、どうですか?

「自分に何ができるかをよく考えることと、自分で動く大切さを実感しました。」
「このイベントを通じて、このメンバーがとても仲良くなりました。本音で語り合える仲間に出会えて嬉しいです。」
「自分の意見がすべて正しいのではなくて、他の人の意見をいいと思って受け入れられることが大事だと思いました。」
「日中交流のことでいうと、“固定概念”とか“先入観”でものを見てはいけないと思いました。そうしない意識が必要だと思います。」
「何事にもチャレンジすることが大切!」
「人とのつながりをずっと大切にしていきたいと思いました。」

-ありがとうございました。大変な状況の中、イベント準備から実施まで、長期間お疲れ様でした。コロナが落ち着いて、チームのみなさんで中国を訪れることができる日が楽しみですね。

今回の活動にあたり、中国新聞の取材を受けました。内容についてはこちらからご覧ください。
https://www.h-bunkyo.ac.jp/university/news/primary/14019/

この記事を書いた人
入試広報課 西岡
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