夢を叶えた先生との出会い「輝く文教OG」♯2
OG:岩脇佳子(かこ)
藤井ちえ(写真左)/PiNECoNeS LLP 代表/株式会社 TOWN DESIGN LABO 代表取締役
藤井:早速ですが、岩脇さんは昨年の春、株式会社JALスカイにご就職されたばかりなんですよね?
岩脇:はい。東京国際空港にグランドスタッフとして勤務して1年目です。
藤井:夢を叶えた岩脇さんに今日はいろいろなお話をお伺いしたいのですが、まず広島文教女子大学の人間科学部グローバルコミュニケーション学科をご卒業されているということですが、この大学・学科を選ばれたきっかけを教えていただけますか?
岩脇:身近に留学していた友達がいたりして、ずっと英語に興味がありました。
文教にはBECC(ベック,Bunkyo English Communication Center)※1があり、専門的に英語が学べる環境が整っているころがいいなと思いました。
藤井:実際、入学してみて第一印象はどんな感じでしたか?
岩脇:自分がテレビなどを見て想像していたような、大きくて、サークルもたくさんあって・・・という大学のイメージとは違って、「思ったよりもちっちゃいな」っていうのが正直な印象でした。
藤井:そのイメージは入学後に変わりましたか?
岩脇:はい。小規模であることが魅力に変わりました。というのも、文教は学生と先生の距離がとても近くて、例えばBECCの2階に英語学修のための色々な設備が整っているSALC(サルク,Self-Access Learning Center)というスペースがあるのですが、予約をすれば先生と一対一で面談もできます。私は1年間くらい通っていました。先生の研究室に行くのも大好きで、悩みがなくても行くこともあったくらい(笑)。そんなことができるのも小規模な大学だからこそだと思います。
藤井:BECCというのは、英語に特化した施設ですよね。そこでの授業で印象に残っていることはありますか?
岩脇:文法を学ぶ授業です。1年生の時は文法について学ぶだけで精一杯だったのに、4年生になる頃には文法ができたルーツを英語で学ぶという、発展的な課題にも取り組めるようになり、4年間で自分自身の成長を実感することができました。
藤井:BECCの授業で得たものは、今の仕事に役立っていますか?
岩脇:国際線ターミナルは英語を使う機会がとても多いので、大学で学んだことはもちろん役に立っているし、仕事に直結していると思います。
藤井: 文教に入学するきっかけにもなった留学について聞かせてください。
岩脇:2年生の時に、アメリカのケント州立大学に4ヶ月間留学しました。BECCで外国人教員としっかりコミュニケーションをとりながら行う英語の授業に慣れていたので、留学先ではBECCの授業でやっていることをそのまま実践するという感じでした。
藤井:この留学をきっかけにグランドスタッフを志したとお聞きしましたが?
岩脇:自己紹介の一環でクラスのみんなで夢について語り合う授業が何度もあったんですが、他の留学生はみんな、どういう夢を実現するために留学したかを具体的に語っていました。留学することが目的だった私はびっくりすると同時に、改めて自分の夢は何かを思い返しました。そして小学生の頃、家族旅行で乗った飛行機で優しくしてくれたキャビンアテンダントさんに憧れていた気持ちを思い出したんです。
藤井:それまでも漠然と、航空業界への憧れはあったのですか?
岩脇:はい、母と「グッドラック」や「アテンションプリーズ」といった航空業界をモデルにしたドラマもよく見ていて、その頃からキャビンアテンダントやグランドスタッフという仕事に憧れはあったと思います。
藤井:漠然とした憧れが、実現したい夢としてより具体的になったのが、留学先での授業だったんですね。
岩脇:「キャビンアテンダントになりたい」と一度発言したからには、なんとしても実現したいという性分というか、強い思いがありました。帰国後に大学の先生にキャビンアテンダント・グランドスタッフ養成学校の『IAA(インターナショナルエアアカデミー)』を紹介していただき、3年生の夏から通い始めました。
藤井:大学と養成学校とのダブルスクール生活は大変だったのでは?
岩脇:3年生の夏から4年の就職活動が終わるまでの1年ちょっと、月〜金曜日は大学に通い、土曜日はIAAに通うという生活でしたが、大変というよりは充実感の方が大きかったと思います。
夢に近づくのが難しいと感じた時も、IAAに行けば同じ夢を持つ仲間に会えるというのが励みになりましたし、頑張ろうというモチベーションを持ち続けることができました。
藤井:今日はIAAでお世話になったという崔 (さい)先生がいらっしゃっていますね。
(崔先生に)岩脇さんはどんな生徒さんでしたか?
崔:ご覧の通りとても明るくて、夢に向かってがむしゃらで、芯がとても強い女性ですね。
毎年、私は広島文教女子大学の就職活動の面接指導に外部講師として参加させていただいていて、夢を叶えた先輩をゲストとして招くのですが、去年、先輩たちが壇上で話をするのを見て岩脇さんは「来年は自分があの壇上に立って後輩たちに伝えたい」という強い思いを持っていました。実は、まさにこの後、岩脇さんにその壇上に上がっていただくわけです。
藤井:(崔先生のお話を聞いて)岩脇さんも涙ぐんでおられますが、ここでも見事に夢を叶えられたわけですね。
岩脇:全ては崔先生に出会えたことから始まっています。崔先生は、お会いした時から私にとって目標の女性です。
藤井:岩脇さんが夢を実現した影には素晴らしい出会いがあったんですね。まさに夢を叶えたばかりの岩脇さんですが、さらにこれからもっと先の夢はありますか?
岩脇:私は誰か憧れの人を見つけて、その人に近づきたいと頑張るタイプなのですが、今の職場でラウンジ業務だったり、VIPを先導するグランドスタッフをしている先輩方がとても素敵なので、そんな先輩方のようになりたいです。
藤井:最後に、文教に通う後輩たちや、文教を目指している受験生たちに伝えたいメッセージはありますか?
岩脇:絶対に諦めずに頑張り続ければ夢は叶う、ということを伝えたいです。「自分には無理かな」と思ってしまうこともあると思うのですが・・・私も航空業界は遠い世界だと感じていました。でも、いろいろな出会いがあって文教とIAAで努力して夢を叶えました。自分を信じて頑張れば夢はきっと叶うよ、と伝えたいです。
藤井:岩脇さんはこれからもきっと、夢を次々と叶えていくのだろうと思います。今日はどうもありがとうございました。
岩脇:ありがとうございました。
※1 BECC
全学科の学生に教養教育科目として英語の授業を行うと共に、グローバルコミュニケーション学科の学生が専門的なスキル、高度な英語運用能力を修得するために必要な授業を提供する、中・四国地区最大級の英語学修専用施設。3つのフロアから成り、それぞれのフロアごとに異なった英語学修の経験ができるようにデザインされている。
インタビューを終えて
夢だった航空業界への就職を強い信念と努力、そして広島文教女子大学の先生やIAAの崔先生との出会いによって実現した岩脇さん。自分の思いを形にすると、人はこんなにも心が磨かれていくのですね。彼女の努力が並大抵ではなかったことは、彼女の涙が物語っていました。
夢を叶えた今も次の目標を持ち、向上心を持ち続ける岩脇さん。またいつか、さらに成長した彼女に会いたいと思いました。
文:イソナガアキコ/写真:内田和宏
インタビューの後、お二人は多くの現役学生さんたちを前に社会人マナー講座を実施され、
それぞれの夢を叶えるために大切なたくさんのことを伝えられていました。
『諦めない心が、必ず夢を叶えます。飛行機のように上へ前へ、夢に向かってTAKE OFF!(崔先生)』